-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
投稿日カレンダー

皆さんこんにちは!
中山有志、更新担当の中西です。
さて今回は
~“ツルを整え、実を走らせる”~
ゴーヤ(ツルレイシ)はツル管理×水肥バランス×温度・光で収量と品質が決まります。今日は圃場設計→苗の定植→誘引と摘心→受粉→病害虫IPM→収穫→予冷・出荷まで、現場でそのまま使える“型”をまとめました。
pH:6.0〜6.5(やや酸性〜中性)。排水重視で高畝25〜30cm+明渠。
元肥:窒素は控えめ、カリ優先(着果・品質)。未熟堆肥はNG。
作型:露地/ハウス(促成・半促成)。株間40〜60cm・畝間180cm前後が目安(支柱/ネット幅で調整)。
整枝前提で**上部に親線(トップワイヤ)**を張り、縦ネットをピンと張る。
定植時期:地温が安定してから。低温土壌は根傷み→生育停滞の元。
植穴灌水→定植→活着潅水で根鉢密着。
マルチ:黒マルチで地温・雑草対策。初期は**風よけ(べたがけ)**が効く。
活着期はしっかり給水、伸長期は過湿回避で根を深く。
基本:親づるは上部の親線で摘心、子づる(側枝)に着果させる。
下位節(地際〜8節程度)は側枝・花を除去して風通しを確保。
子づるはネットに“Z字”で誘引し、混み過ぎたら摘心で光を回す。
果実の肩焼け回避に葉陰を残す(完全に裸にしない)。→
露地はミツバチ・マルハナ等でOK。ハウスはバンブルビー導入or朝の手授粉(9〜11時)。
着果負担:株力に合わせて初期は控えめ、中盤から連続着果へ。
果形の揃いは水分とカリの安定で決まる。過乾燥→尻細り・曲がりに。
好適気温:昼24〜30℃/夜18〜22℃。
高温期は側窓全開・遮光20〜30%、低温期は保温+夜の過湿回避。
風通し=病気予防×受粉安定。葉裏まで風が抜ける密度が目安。
水:朝多め→夕切り上げ。**交互灌水(右畝→左畝)**で根を探らせる。
肥:少量多回の追肥(灌注/点滴)。窒素過多=ツルボケ&苦味の尖り。K・Ca・Mgで果皮の腰を作る。
EC/排水チェックを週次で。塩類集積は淡水灌水でリセット。
病気:うどんこ・ベと・炭疽。
虫:アブラムシ・コナジラミ・ハダニ・ヨトウ。
対策:
防虫ネット+黄/青粘着板で飛来抑制。
捕食性ダニ・寄生蜂の生物資材、殺虫は系統ローテ&収穫前日数厳守。
下葉整理・換気で湿害回避。
ウイルス媒介虫対策を最優先(初期防除)。
目安:開花後12〜18日、色が濃く・トゲが立ち、長さ18〜25cm(品種で調整)。
過熟=黄化→裂開。2〜3日おきに一気に回る。
丁寧に切り採り、打痕ゼロを徹底。柄は1cm程度残すと痛みにくい。
予冷:採り熱を抜く。10〜12℃・高湿が基準(10℃未満で低温障害に注意)。
包装:穴あき袋+結露防止の吸湿紙。エチレン源(果実)と混載しない。
ラベル:採収日・サイズ・保存温度・ロットを明記。
☐ pH・畝高・排水路
☐ 風よけ・活着潅水・初期防除
☐ 親線摘心位置・下位節の整理
☐ 受粉状況(蜂/手)・着果負担
☐ うどんこ/ベと観察・粘着板カウント
☐ 収穫間隔・予冷温度・結露有無
☐ ラベル表記(採収日/ロット/保存)
まとめ
「整枝で光を配る」×「水肥を薄く均一に」×「収穫回転を切らさない」。この三点で、ゴーヤは太く・揃って・長く取れます。まずは親線の高さと下位節整理を今日の現場から。